霽月 (せいげつ)
神楽坂: 居酒屋
霽月 (せいげつ) (神楽坂: 居酒屋)
霽月 (せいげつ)
電話: 03-3269-4320
営業時間:5-11pm (LO) 定休日:なし
Sun: 日曜日営業

居酒屋にはこれまでだいぶ通いましたが、霽月はほかのどの居酒屋より最高に落ち着ける店です。うまく仕切られた空間にテーブルが数脚ずつ配置されているため、店内は広いのに、雰囲気はこぢんまりとくつろいだ感じになっています。インテリアは、ラフな化粧しっくいの壁や、繊細な趣の竹製仕切り、でんとした木製テーブルなど、趣味のよさとカジュアルな雰囲気がバランスよく、照明も抑えめになっています。個室風に仕切られた席のほか、広々としたメインカウンター席もあり、この席では、板前さんが炭火の上で丹念に鶏肉や魚を焼いているのを目の前で眺めながら酒や料理を楽しめます。

どこに落ち着いたにしても、まずは、ドリンク選びですネ。リストには全国各地の銘酒が数十種類と季節の限定品が多数そろっているので、地酒や焼酎のマニアにとっては、じっくり検討する楽しいひとときです。店のスタッフは地酒にくわしく、尋ねれば答えてくれます。また、焼酎がお好みなら、焼酎専門スタッフもいます。焼酎は九州産ばかりでなく、全国各地の銘柄がそろっています。ふと思いついて、北海道産のシソ風味の焼酎にしてみたら、これが驚くほど辛口で、舌にこころよい味でした(おまけにグラス400円というお手ごろ価格)。

日本酒の通好みの店と違って、この店は料理だけをとっても一流で、たとえアルコールがなかったとしても行ってみる価値があります。居酒屋スタイルのメニューも充実していますが、肉や魚介類のグリルに力を入れています。とくに、鶏の手羽先は絶品で、じっくりと時間をかけて調理されているため、皮は表面だけでなく中までパリッと仕上がり、肉はしっとりと風味があります。地鶏焼きは一級品で、塩やたれだけでなく、梅味噌も用意されています。アスパラガスのグリルのようなシンプルな料理さえ、いぶした香りがほのかに漂い、歯ごたえもちょうどいい仕上がりで、美味しさがはっきり違います。

サービスで出される突き出しも語るに値する一品です。ワカメがパリパリっと砕けそうになるまで揚げてあり、デリケートな風味と塩味が酒にぴったり合います。そのほか、枝豆豆腐、エビ天のガーリック・マヨネーズなど変わったメニューもあります。

霽月は近所のなじみの店的な雰囲気で、店内のレイアウトからみると、大人数のグループより、カップルや小グループを大事にしているようです。客層はサラリーマンや学生より、クリエイティブな仕事に携わっている人たちが多いようで、平均年齢は30代半ばといったところです。この洗練された客層は、提供されるものが価格に見合っているかどうかにこだわる人たちでもあり、この店では一級品の料理と酒を楽しんで、支払う金額は3000円から5000円くらいです。

(神楽坂通りと大久保通りの交差点近く。牛込神楽坂駅(大江戸線)と神楽坂駅(東西線)から徒歩2分、JR飯田橋駅から徒歩8分。)


by Robb Satterwhite
神楽坂
東京都新宿区神楽坂6-77-1 神谷ビル2F
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